阿蘇海を守る

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阿蘇海について

阿蘇海は、日本海の宮津湾から天橋立によって仕切られてできた内海で、塩分濃度が外海の3分の2程度であることから、外海の魚の産卵場となっており、脂の乗った「金樽イワシ」(マイワシ)が名産で知られています。また、阿蘇海に流れ込む野田川河口付近では、希少な鳥の姿も数多く見られ、全国的にも名高い野鳥のホットスポットとしても知られています。(参照:うちのまち第4号「野鳥図鑑」

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阿蘇海を守る取り組み

阿蘇海は地域住民にとって大切な地域資源ですが、高度経済成長期以降、工業生産増加、化学肥料への転換、森林の未伐採、富栄養化等によって水質悪化が引き起こされました。地域産業の維持・発展には、自然環境の保護、改善は不可欠であることから、与謝野ブランド戦略においては阿蘇海の環境改善を重点施策(持続可能な環境構築)として位置づけ、官民一体となって阿蘇海の水質改善や周辺環境の保全に向けた様々な取り組みを進めています。

条例施行

阿蘇海の水質が悪化していることに対して、住民、事業者、行政が一体となって、野田川をはじめ、阿蘇海に流入する流域で、環境保全に取り組み、美しく豊かな阿蘇海を実現することを目的に、与謝野町と宮津市により、「美しく豊かな阿蘇海をつくり未来へつなぐ条例」を平成28年4月1日に施行しました。市町をまたがった環境資源に対して、環境改善に向けて相互に取り組むことを盛り込んだ条例は、全国でも非常に珍しい条例となっています。

阿蘇海の日

「美しく豊かな阿蘇海をつくり未来へつなぐ条例」に基づき定めた「阿蘇海の日」に、阿蘇海に親しみ、阿蘇海の環境保全意識の醸成を図るため、「阿蘇海の日」事業を開催しています。平成30年度は、阿蘇海に親しんでもらうことを目的に、SUP(スタンドアップパドルボード)やシーカヤックで親子連れなど多くの方が阿蘇海周遊を体験しました。また、生涯学習センター知遊館では、与謝野町立岩滝小学校児童らが「阿蘇海とわたしたち」と題して、阿蘇海のことや水質調査の実験結果などについて発表しました。

海岸清掃

阿蘇海沿岸では、ボランティア回収では対応が難しい台風や豪雨により流れ着く大量の漂着ゴミの回収が行われています。地元・浜町区を中心に実施された清掃活動では、約2.2tの漂着ゴミを回収。また、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)によるカキ殻清掃ボランティアも実施されています。平成30年度は、50名近くの学生が参加し、約10tのカキ殻を回収。回収したカキ殻の一部は、与謝野ブランド戦略の一環で実施しているホップ栽培農地やシルクプロジェクトで養蚕のために栽培する桑園に散布し、肥料として還元しました。

野田川流域清掃

阿蘇海に流れ込む野田川は、天然のサケが遡上することで知られています。サケが還ってくる11月頃までに、上流地域の後野区や後野農地水組織が中心となって、野田川清掃を実施しています。平成30年度は、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)からも参加があり、2日間で約1.1tのゴミを回収。放流ではない天然のサケは水が美しい川でないと遡上しないことからも、こういった環境を守る取り組みの成果をうかがい知ることができます。

清掃ボランティア活動

よさの百年の暮らし委員会(愛称:みらいふ)と与謝野町では、平成27年度から、町内の身近な場所をステーションとして環境美化に取り組む「ちょこっとボランティア」(愛称:ちょこボラ)事業を実施しています。平成29年度からは、「ちょこボラDAY」と題し、住民や関係団体等が一斉に清掃ボランティア活動に取り組んでいます。

浅水代かき

水田の濁り水を川に流すとプランクトンが増殖し、ヘドロの原因となります。自然循環農業を進める与謝野町では、田植え前の準備において、濁り水が流れ出すのを極力少なくするために、少ない水で整地する「浅水代かき」という農法を推進しており、野田川や阿蘇海の水を美しく保つための活動として広がっています。